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天空の城ブーム

 日本の城めぐりで、このところ大きなブームとなっているのが、但馬の竹田城である。テレビや雑誌でも何度か紹介されているが、地味なのでご存知ない方も多かろう。城跡、特に地味な山城の場合、雑誌やテレビで少しでも紹介され、城マニアでない人まで登城するようになれば、それでもう十分にブームなのである。

 但馬地方は霧がよく発生し、特に秋は谷間を真っ白に埋めつくす日が多い。まずはこの写真をごらんいただきたい。
竹田城朝来市提供
 これを天空の城といわずして何をかいわんやな風景である。竹田城を日本のマチュピチュと形容する人もいるが、日本の物を外国の有名な物に例えて「日本の○○」というのはあまり好きじゃないな。これは日本の山城なのである。
 残念ながらこの写真は筆者が撮影したものではなく、地元の朝来市が無償で提供しているものだ。そこで自分でも同じようなカッコいい写真が撮りたくて竹田に行ってきた。

 その結果が下の写真。暗いうちから重い望遠レンズと三脚を担いで城の向かい側にある山に登り、霧が発生しやすいという夜明けを待って撮影を開始したものの、霧が全く出ず、ご覧の通りの間抜けな姿となった。
 ただ城そのものは雲海がなくても十二分にカッコよく、頑張って登るだけの価値はあった。
竹田城撮影筆者
竹田城望遠遠景02
 山城の多くは中世に建設されたので、土塁と堀切で構成されている。しかし竹田城は近世初頭に改修されたので、総石垣の近世の丘城を山のてっぺんに置いたような姿となった。
竹田城南千畳方向
 山の稜線に沿っていくつもの防衛拠点を配置する、いわゆる連郭式の縄張りで、石垣の構成はなかなか技巧的である。
 石は兵庫県らしく大部分が花崗岩で、近隣の転石や岩盤露出部から集めたと思われる。切り出した花崗岩は灰色だが、地表にあって風化が始まったものは黄色みを帯びる。自然石を積み上げる野面積の典型で、安土城との類似点が多いとされることから、近江の石工集団「穴太衆」が工事の指揮をとったと言われている。
竹田城天守台_南方向
 朝来市では城跡の維持保存はもちろん、登城観光の誘致にも力を入れており、登山道路や中腹の駐車場などがきちんと整備されている。どんなに閑静な名所でも、ブームになると人が増え場荒れしがちだが、竹田城は車で行っても途中で降りて坂道を登らなくてはならないし、頂上に着いてもトイレや売店等はないから、一定の秩序は保たれているように思えた。
竹田城北方向
 竹田城は古くから訪れる人が多い名城なので、麓の登山道の入口には、大正時代に建てられた石柱がある。
竹田城登山口

 
 
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プロフィール

Kimupon_Cicadan 木村 義志

Author:Kimupon_Cicadan 木村 義志
出身地 : 大阪市
現住所 : 東京都
1955年生まれ
科学図書執筆編集のお仕事
分野は生物学系

写真は特にクレジットや注釈がない限り筆者の撮影です。記事や写真についてのお問合せはなんなりと。
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