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 愛媛県の内子町にある芝居小屋「内子座」はあまりにも有名だが、同じ町にもう一軒「旭館」という古い劇場がある。大正末に建てられた映画館だが、そのチープさがなんとも懐かしい。この時代を代表する看板建築で、正面から見ると塔のある立派な劇場なんだが、本体は安手の倉庫みたいな建物(セメント瓦にトタン張りなのは、戦後お金をかけずに改修したためと思われる)。後に「電気館」と名前を変え昭和40年頃まで営業していたというが、映画の全盛期には内子座の芝居より賑わったはず。

 少し前までどこの町にもこんな映画のセットみたいな映画館があったと思うが、急激に消滅してしまった。明治以前の建物で立派なものは今後もそれなりに保存されていくと思うが、昭和以降の建物、特に木造の安普請ものは、今から保存の手を打っておかないと写真にしか残らないだろう。
 金と労力をかけて保存する価値があるかどうかが問題になると思うが、100年ぐらい先のことを考えれば、その価値は十分にあるだろう。少なくとも大金をかけて新築したデザイナーの自己満足みたいな公共の箱ものと同等以上の値打ちがあると思う。行政が有名デザイナーにいいようにやられた使いにくくて維持費がかかる建物も、それはそれで面白いんだけどね。

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プロフィール

Kimupon_Cicadan 木村 義志

Author:Kimupon_Cicadan 木村 義志
出身地 : 大阪市
現住所 : 東京都
1955年生まれ
科学図書執筆編集のお仕事
分野は生物学系

写真は特にクレジットや注釈がない限り筆者の撮影です。記事や写真についてのお問合せはなんなりと。
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