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水力発電所は楽しい

 これまで、文化財ネタとしてお寺の塔やお城の遺構などを紹介したが、日本の古い水力発電所めぐりのネタもけっこう溜まってきたので、原発事故にからめてというわけでもないが、水力発電所の話も加えていこうと思う。

 日本の全ての発電所を稼働させれば、電力需用の2倍程度の発電能力があるとされる。そのうち水力は2割程度を占め、全ての水力発電所がフル稼働すれば、消費電力40%を賄える計算になる。もちろん天然の水量には増減があるので、ある程度の余裕をもって供給計画を立てねばならないが、現在、水力発電は能力の2割程度しか利用されていないという。なんとも勿体ない話である。
 水力発電は自然エネルギーの一つであるから、今後はもう少し注目されるようになるだろう。というか、注目しなければならない。

 写真は、今大変なことになっている福島県にある、東京電力丸守(まるもり)発電所。阿武隈川水系の水で3基のタービンを廻し、合計約6,000kWの発電能力がある。運転を開始したのは今から90年前の1921年。

丸守発電所

 竣工当初は大峰発電所と名付けられ、戦時中の電力会社の統廃合時に丸守発電所に改称されたという。建物はレンガ造りで、当初は白い石で装飾が施されていたらしいが、現在は全体がレンガ色1色に塗りつぶされている。装飾を維持するための費用を惜しんだのであろうか。導水管の落差は約87m。
 古い発電所にはレンガ造りの建物が多く、なかなか魅力的だ。これらの小さな設備が日本の近代化を支え、バカみたいに大きな原発と、その利権に群がる連中が、先人達の築いた信用と地元民の生活を破壊した。皮肉なものである。
 以前は建物に「東京電力-丸守発電所」の文字があったが、撮影した09年には何故か文字が塗りつぶされていた。理由はよく分からない。

 下は鉄の門に掲げられていた看板。原発と違って一般人が内部を見学することができるらしい。各地の水力発電所の中には、事前に申し込まなくても、内部を見学できるところもある。

丸守看板


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Comment

No title

水力発電は、水が豊富で土地の狭い日本向きですよね。
泊も、計画途中では、後ろで水力発電の調査をしていたらしいのです。
あそこは落差がありますから、原発より少ない費用で安全な物を作れたはずなのに。
調査はたぶん、反対派に対するイクスキュースだったのかな。
原発のほうが、作りやすいということになってしまい、後に憂いを残しました。

福島のことでわかったのは、20年以上前の原発は、
使用済み燃料を、すぐそばに置いているということ。
そういうのが、たくさんあるんでしょうね。
事故を起こす前に、勇気を出して日本中の原発全部止める決断をしてほしいですね。
そうすれば、日本は信頼を回復するんじゃないかな。

No title

>はるみさん

 水力発電って、力強くてシンプルで、なんか好きです(笑)。
 河川の自然破壊がよく問題になりますが、今後は小~中規模の発電所を造り、全ての水を塞き止めるのではなく、生物用のバイパスを設けることで、自然に負担をかけないダムの建設は可能だと思います。
 利権を生む、一つの村が丸ごと沈んでしまうような巨大ダムを造ろうとするから、話がややこしくなるんでしょうね。
 発電機の性能も上がってますから、十分にやっていけると思ってます。

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プロフィール

Kimupon_Cicadan 木村 義志

Author:Kimupon_Cicadan 木村 義志
出身地 : 大阪市
現住所 : 東京都
1955年生まれ
科学図書執筆編集のお仕事
分野は生物学系

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