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NEXCO(高速道路株式会社)のアホ看板

 下の写真は高速道路のサービスエリアにある看板である。
 「コンシェルジュ」とは、将来的にチケットの販売やホテルの予約、観光案内など、サービス範囲の拡大を願って付けられた「案内所」の新名称らしいが、筆者はこれを見るたびにストレスを感じる。

コンシェルジュ

 辞書によると「concierge」は、アパートや寮などの管理人とか、ホテル等でチケットを手配するなど旅の便宜を図る人やその窓口を示す仏語である。今はどうか分からないが、パリあたりの有能なコンシェルジュは色々なコネを持ち、満席でもチケットを入手できたりしたという。だから高速道路株式会社は、今までの案内所を超える、多機能の新しい案内所として「コンシェルジュ」の名前を掲げ、従来の「案内所」という表記をやめた。

 しかしながらこの看板、英語ではinformation(本来ならInformation desk)と書いてあり、また中国語では「問訊處(表記は簡体)」と「諮詢處」、さらにハングルでアンネソと書かれているのである。これらはいずれも日本語の「案内所」の訳であって、コンシェルジュとは意味が違う。
 英語、中国語、韓国・朝鮮語で「案内所」と書くぐらいなら、日本語の「案内所」を書き加えても罰はあたるまい。機能拡張を主張したいなら「旅の案内所」とか「旅行便利係」などと書けばいいはずだ。
 とにかく見ていて気持ちの悪い看板なのである。大きく書かれた ? マークは、コンシェルジュとは何でしょうというクイズにも見える。

 高速道路株式会社の担当社員に、デザイン案を見て「コンシェルジュという言葉の普及度が低いので、それだけでは分かりにくい」とか「中国語やハングルと意味が異なるのはおかしい」という人はいなかったのだろうか。
 JRが調子に乗って「国電」の新名称に「E 電」を採用し、世間の笑い者になったことを思い出す。

 この記事を重箱の隅を突つくような話と思わないでほしい。この看板は貧困な言語センスの現れであり、また一種の文化破壊といえる。
 平成の市町村大合併で、センスを疑うような仮名表記の新しい地名が生まれたが、コンシェルジュの看板もあれと似ている。さすがに愛知県南セントレア市は「変な名前になるぐらいなら合併しないで欲しい」と市民にいわれて実現しなかったようだが、英語のカタカナ表記である山梨県南アルプス市(南アルプスという言葉が親しまれているとはいえ、日本の山をヨーロッパの山の亜流といってるようで卑屈に感じる)や、単なる思いつきの代表例である群馬県みどり市(緑の多い町にしたいというだけで根拠が希薄。そんな事をわざわざ願わなくても十分に緑が多い自治体である)などが出現した。
 地名とはいうまでもなく、その土地の長い歴史を語る重要な文化財の一つである。それを無造作に破壊していくのは愚行としかいいようがない。南セントレア市の場合、市長が「南セントレヤ市」と書いて世間の失笑をかったが、こうした名前は市民が本当に望んだのではなく、広告代理店や開発業者と結びついた行政側が主導してることが多い。コンシェルジュの看板も根っこは同じである。

 とにかくコンシェルジュの看板を日本語が併記された看板に架け替えて欲しいと思う。もちろんそれ以上に、思いつきでつけられた市町村名を歴史に即したものに変えて欲しいと思うけどね。

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Comment

No Title

まったく同感!意味わかんない。
どうして普通に案内所ってかかないのかしら?
変に外国語もってきてかっこいいつもりなら
そのセンス疑うよね。

Re: No Title

> 変に外国語もってきてかっこいいつもりなら
> そのセンス疑うよね。

まったくです。この看板を見ると運転の疲れが増します。
でも、腹立たしいので眠気はとれますけどね(笑)
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プロフィール

Kimupon_Cicadan 木村 義志

Author:Kimupon_Cicadan 木村 義志
出身地 : 大阪市
現住所 : 東京都
1955年生まれ
科学図書執筆編集のお仕事
分野は生物学系

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