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カメラの身分証明効果

 テレビをつけたら、カメラマンの渡部陽一が地方都市で旨い物を探すというような、呑気なバラエティ番組をやっていた。渡部陽一は番組の中で、ずっと大きなカメラをさげていたが、写真を撮る場面はほとんどなかった。それは渡部陽一がカメラマンであることを示す小道具として持たされていたからである。
 カメラが普及し誰もが持ち歩くようになって半世紀が経つが、立派なカメラには今も、文化的な記号として持つ者の身分を示す機能があるらしい。
 不審者と思われがちな筆者も、こうしたカメラの身分証明効果の恩恵にあずかろうと思う。

トノサマバッタ顔S
写真は本稿の内容と無関係。トノサマバッタの褐色型

 筆者は生き物の採集と飼育観察が好きで、そのノウハウと楽しみを人に伝えるのを仕事の一部にさせてもらっているが、フィールドで採集をしていると肩身の狭い思いをする、というか、怪しいオヤジとして白い目で見られる。
 特に不審がられるのは、人家近くのフィールドで、一人で何も持たず(ピンセットやサンプル瓶ぐらいはポケットにあるが)地面にしゃがみ込んでいるときである。警察に通報された事はまだないが、遠巻きに注視されたり、付近の家の窓がピシャリと閉まる経験は何度かある。人間に限らず生き物は、自分のテリトリーに理解できない行動をする者が近づくのを嫌がるものだ。
 しかし、カメラを持っていれば、見る人の反応が違うことに気がついたのである。

 仕事がら写真家に友人知人が多いので、自分は制作、撮影は彼らの領域、という意識が強く、カメラは持っていたが、使うのは旅行のスナップぐらいしかなかった。ところが、デジタルカメラが普及し、フィルムや現像に費用がかからなくなったので、メモ代わりに使っていたコンパクトカメラがエスカレート。ついに一眼レフやストロボを持ち歩くようになってしまった。

筆者2011_10
カメラのおかげで畑の際に突如伏せても大丈夫?

 少し重くなるが、人に理解されにくい行動をごまかすには、カメラはなるべく大袈裟で目立つ方がいい。携帯電話やコンパクトカメラにこの効果は期待できないのである。カメラさえ持っていれば、地面に長時間寝転がっていても、不審者と思われないから不思議だ。それに写真まで撮れる。何でもっと早く気づかなかったのだろう。

 あまりよい自然ネタではなかったな。


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プロフィール

Kimupon_Cicadan 木村 義志

Author:Kimupon_Cicadan 木村 義志
出身地 : 大阪市
現住所 : 東京都
1955年生まれ
科学図書執筆編集のお仕事
分野は生物学系

写真は特にクレジットや注釈がない限り筆者の撮影です。記事や写真についてのお問合せはなんなりと。
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